「急ぎの仕事が本当に重要な仕事とは限らない」という事を聞かれたことはありませんか?そもそも重要な仕事を後回しにした結果として急ぎの仕事が発生してしまう事があります。常に忙しいひとり情シス。”仕事は選べない”と初めからあきらめるのではなく、結果の重大性を考慮して優先順位を見定めたい…という話です。
急ぎの仕事と重要な仕事を切り分ける
ひとり情シスはとにかく忙しい。次から次へと仕事が降ってきます。仕事は山のようにあれど体は一つ。優先順位を見定めていかなければ身が持ちません。
そんな中、もし急ぎの仕事が舞い込んで来たらどうしますか?急ぎの仕事なので最優先で処理したいと考えるのが普通かもしれません。また、ひとり情シスは仕事を選べないと思うかもしれません。しかし無条件で急ぎの仕事を優先させたり、目の前にある仕事を単にこなして行くと、やがてその付けは確実に自分に回ってくるものです。
急ぎの仕事が”重要な仕事”とは限らない
次にあげる言葉は、ニューオリンズ大学の元教授で多くのビジネス書の著者でもあられるマイケル・ルボーフ氏によるものです。
重要な事柄が緊急な事柄である場合は少なく、緊急な事柄が重要な事柄である場合も少ない
”急ぎの仕事”というだけでそれを最優先させていると、結果的に重要ではない事柄のために時間を費やすことになる可能性がある、という事です。本当にそんなことがありうるのでしょうか?
急ぎの仕事になってしまうそもそもの理由を探ってみる
そもそもなぜ急ぎの仕事になってしまうのでしょうか。理由はいくつか考えられますがその中の一つを次の例を通して分析してみます。
部品メーカーに勤める製造部部長Aさんは朝は始業より1時間以上早く出社、お昼休みもそこそこにすぐに仕事を始め、当たり前のように残業をこなす仕事人間。”忙しい”が口癖で、ここ最近は折からの人手不足のため自ら製造ラインに入って仕事をしなければなりません。
その後、念願の新人さんが入社。新人教育もそこそこにある程度の作業手順を教えた後、早速検査ラインに入ってもらうことに。若いだけあって手際が良く、良い人材が入ってくれたと感じ一安心。
ある日自社の納入した製品にクレームが。原因をたどって行くとどうやら最近入った新人が検査工程において不良品を見逃し流出させてしまった模様。取引先からは再発防止策をまとめた対策書の提出を求められ、部長はますます忙しくなる・・・。
この場合対策書をまとめる事は緊急な仕事でもあり、また重要な仕事にも思えます。しかし、そもそもなぜこのような緊急の仕事が生じたのでしょうか?
- ”忙しい”ことに慣れてしまい優先順位が見極められていなかった
- 管理・監督者なのに自らラインに入り、全体を見渡す事が出来ていなかった
- 新人の素質のみに着目し必要な新人教育を怠った
理由は明白ですね。もっとも重要な新人教育を二の次にしてしまった事が原因でした。
部品メーカーですから物を造ってなんぼの世界です。ラインの穴を埋めることは重要に思われますが、それ以上に大切な新人教育(=品質確保と底上げ)をおろそかにしてしまった事の付けは大きかった、というわけです。
何がいけなかったのか?
部長Aさんの例をもう少し分析してみましょう。
その仕事を成し遂げた後の結果・効果を評価して優先順位を決める
- 目の前の仕事を単に行っていく事の危険性
- 急ぎと言われるとつい優先してしまう危険
- 中・長期的なビジョンで評価する事の大切さ
ひとり情シスとしては”仕事を選べない”と感じるかもしれません。しかしそれでも優先順位を定めて仕事をこなして行くことは肝要です。これは自分の為でもあります。
目の前にある仕事を片っ端からやっつけていてはいずれ自分の首を絞める結果になりかねません。ぜひ中・長期的な視野で結果や効果を評価し、仕事の優先順位を見定めていきたいものです。
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