「明日やろうは馬鹿野郎」を大真面目に検証して気付かされた事

コミュニケーションTIPS

会社の事務所に貼ってある「明日やろうは馬鹿野郎」という標語。先送りをしようとする事を戒める言葉なのですが一方で「明日できるのに今日やるのは馬鹿野郎」なのでは?という意見もあります。この意見の相違、語られた言葉の前後の文脈と何に焦点を置いて語った言葉なのかが解析のカギ。考えさせられたのは普段から5W1Hを切り分ける物の考え方が大切、という事でした。

「明日やろうは馬鹿野郎」なのか?大真面目に検証してみる

「明日やろうは馬鹿野郎」の元ネタは一説によるとフジテレビのドラマ「プロポーズ大作戦」での一セリフのようです。意味に関しては驚いたことにweblioの実用日本語表現辞典にも載せられていました。

今すぐに着手できる、または着手するべき事柄を、先送りしようとする考え方を戒める意味で用いられる言い方。 出典:weblio実用日本語表現辞典

確かに至極納得させられる説明です。この標語、何を言わんとしているのかがすぐにイメージできますのである意味よく考えられたダジャレですね。

さて、この標語がうちの事務所に貼ってあるのですが、うちの部長はこの標語を見て一言、「明日出来るのに今日やる方が馬鹿野郎なんじゃないの?」との事。なるほど、そういう見方も出来なくはありません。

今日やるか、明日やるか。

なんでも面倒くさがったり物事を先送りしたりする傾向のある人はあまり成功しません。先送りしたがる心理は理解できなくもないのですが、結局のところすべては自分に跳ね返ってくるわけです。子供ならいざ知らず責任ある大人であるならば、面倒くさがって先送りしてしまう癖は早めに直したいものです。

一方で明日出来ることは積極的に明日に先送りすべきという考え方もあります。

  • 忙しすぎて今日中に終わらない
  • 明日出来ることはむしろ明日に回すべき

という理論です。これが先に紹介した部長の考えですね。なるほど、これも一理あります。つまり次の2通りの考え方があり得るわけです。

  1. 忙しくても先送りしない
  2. 忙しいからこそ先送りする

結局どちらが正解なのでしょうか?

「明日やろうは馬鹿野郎」は”いつか?”(When?)の視点で語られた言葉

大真面目に語っていますが、分析すると仕組みは簡単です。物事を5W1Hの視点で考えてみると色々と見えてくることがあります。5W1Hとは以下の要素を意識することで伝えたい事柄の趣旨を明確に表すことができるというものです。

  • Who (だれが)
  • When (いつ)
  • Where (どこで)
  • What (なにを)
  • Why (なぜ)
  • How (どのように)

 

おそらく気付いておられることと思いますが、「明日やろうは馬鹿野郎」という標語は”いつか?”つまり、When?の視点で語られた言葉です。

一方で先にあげた部長の視点は”いつか”よりもむしろ”何を?”つまりWhat?に力点を置いて推論し、その結果出てきた言葉と言えそうです。

What=重要なことならば今すぐすべき、だが、優先順位の低いものは明日に回すべきという事です。この場合は「明日出来るのに今日やる方が馬鹿野郎」という話になってきますね。

大真面目に考えてみた結論 本当に訴えたい事が相手に伝わるためには工夫が必要

「明日やろうは馬鹿野郎」はドラマの流れの中で活きてくる言葉

そもそも「明日やろうは馬鹿野郎」という言葉はドラマの中の一セリフでした。前後の会話の流れ・文脈を考慮して初めて活きてくる言葉と言えそうです。

本来この一文だけで独立して何かを語らせるような類の物ではなかったのです。それを、この部分のみを切り取って標語にしようとしたため先の部長のような異論(突っ込みどころ)が出てしまう物になってしまった、というのが正直なところでしょう。もちろんこの標語自体は良いものだと思いますが、これが活かされるのはシチュエーション次第と言えそうです。

言葉が足りない、選択を誤るとコミュニケーションギャップが生じうる

今回の話題、大真面目に語るほどの事ではないと思うのですが意外と起こりやすいコミュニケーションのミスマッチを考えさせる大変良い例になっていると私は感じました。

  • 本当に訴えたいメッセージが明確に伝わっているか?
  • 相手の意図を正しく捉えているか?

情シスの仕事の中には他の部署との連携が多く求められる案件がありますが、相手が何を求めているのかを的確に判断することが出来なければ良い仕事はできません。

円滑なコミュニケーションのためにも、5W1Hを意識したものの考え方・捉え方言葉の選び方肝要と言えるでしょう。

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