【簡単】PCマイクの音量が小さい・マイクプリアンプを導入して正解

コミュニケーションTIPS

デスクトップPCでWEB会議。「音量が小さいよ」と指摘された時には「マイクブースト」?いえいえ、ノイズが大幅に増えるので要注意。そんな時にはマイクプリアンプを利用するという手段があります。音量が小さくなる原因とマイクプリアンプの選び方を取り上げます。

PCマイクの音量問題 マイクプリアンプを導入で解決

「WEB会議で相手方の声が聞き取りにくい」と感じた事はありませんか?実は私自身そのように言われた事があります。色々と調べた末マイクプリアンプを導入する事で解決する事が出来ました。

音量小はデスクトップPCに多い?

経験則ではありますが、面白い事に気づきました。「音量が小さいな」と感じるのは大抵デスクトップPCだったという事です。経験とは言ってもせいぜい120人~程度の方々とのやり取りにすぎませんが、偶然ではかたずけられない何か因果関係があるのでは?と考えてみました。思い当たるのは次の点です。

  • 外付けマイクを使用している
  • マイク入力端子経由でマイクを使用している

ノートPCにしてもタブレットにしても、すでに本体側にマイクが付いています。しかしデスクトップPCはほぼ確実にマイクを付け足さねばなりません。するとマイクの問題なのでしょうか?実は話はもう少し複雑でした。

Windowsのサウンド設定でマイクブーストするのはどうか?

音量が小さい時の対策として、サウンド設定の録音のプロパティーでマイクブーストするという方法がありますが、正直あまりお勧めできません。確かに音量はアップしますがその分ノイズも大幅に増えます。むしろ根本から見直した方が良いかもしれません。

”PCマイク”の仕組みを考えてみる

マイクは大きく分けて、電源を必要としないダイナミックマイクと、別途電源を必要とするコンデンサーマイクの2種類に大別できます。このうちいわゆるPCマイクとして販売されているのはコンデンサーマイクの方になります。

USB接続のコンデンサーマイクはUSB経由で電源が供給されます。では3.5mmミニピンプラグタイプのPCマイクはどうでしょうか?実は、マイク入力端子には一定の電圧がのっているのです。”入力”端子なのにそのラインを通して電気が出力されているというのはちょっとイメージしにくいかもしれませんね。仮にPCのライン入力にマイクを挿しても動作しないのはそのためです。

ややこしいのは、このマイク入力端子の規格が各社バラバラだという事。電圧もインピーダンス値もそれぞれ微妙に異なるため音量差が生じても不思議ではありません。実際、通販サイトでPCマイクのレビューを見ていると、”問題ない”という人と、”音量が小さくて使い物にならなかった”という人、両方の意見を見かけます。つまり、必ずしもマイク側の問題ではなく使用する条件によって異なるという事になるのではないかと推測しました。

ちなみに、私が普段使用しているPCマイク(通販で1000円前後)はノートPCでは問題ないものの、デスクトップPCでは音量が小さく使い物になりませんでした。

マイクプリアンプを経由させて解決

そこで登場するのがマイクプリアンプです。マイクプリアンプというと、音楽・楽曲制作の過程で使う物というイメージが強いかもしれません。実際、リリースされているマイクプリアンプの多くがその層をターゲットにしたモデルで、価格も高額になる傾向にあります。

いわゆるボーカルマイクや楽器録音用のコンデンサーマイクをつなぐためのマイクプリアンプではPC用マイクを使用する事が出来ない場合があります。(以下のTIPSを参照のこと)

 

プラグインパワーとファンタム電源は別物

気を付けたいのはいわゆるプロオーディオ用のマイクプリアンプが備えるファンタム電源出力と、PCマイクなどに必要なプラグインパワーは別物だという点です。前者は3ピンのXLR端子が使われ+48Vの電圧がマイクへ流れますが、後者は2V~10V程度の電圧がピンプラグ経由でマイクに供給されます。購入する際には使用するマイクにあったマイクプリアンプを購入する必要があります。

 

単に、WEB会議で使うPCマイクを増幅したいだけですので、高額なものは必要ありません。しかしその目的で探すと選択肢が非常に少ない事に気づきます。今回はそんな中で定番ともいえるマイクプリアンプaudio-technica マイクロフォンアンプ AT-MA2を例に取り上げてみます。このモデルは3.5mmミニプラグか6.3mm標準プラグのマイクを接続(排他利用)出来ます。しかもプラグインパワーにも対応しているためダイナミックマイクに加えPC用マイクとして販売されている3.5mmミニプラグ端子のコンデンサーマイクも使用できます。


画像出典:オーディオテクニカ公式サイトより

上記説明図の接続先(ライン入力へ)がPCに置き換わるイメージになります。AT-MA2からの出力はPCのマイク入力端子ではなくライン入力端子につなげる事になりますのでご注意ください。

このようにマイクプリアンプで音声を増幅させてから、次の段(PC)へ信号を送る事が可能になりますので、最終的な信号を無理に増幅させるマイクブーストとは違い、ノイズ面で有利と言えます。

audio-technica マイクロフォンアンプ AT-MA2の評判はかなり良いようです。何よりもこのジャンルではほぼ1択状態のように見えます。PCマイクのためのプリアンプを探している方にとっては最有力候補になるのではないでしょうか。

マイクプリアンプの導入結果は?

先に説明したように、私の場合ノートPCでは問題なかったものの、デスクトップPCでは音量が小さく使い物になりませんでした。そこでマイクプリアンプを導入してみたところ、その同じマイクでも問題ないレベルにまで音量がアップしました。WEB会議に参加される方々にもお聞きしてみたところ十分に聴こえているとの事でした。プリアンプの導入で音量アップ効果が期待できると言えそうです。

まとめ 相手の事を考えてみても対策を施すのは良い事

WEB会議での音量問題。対話するお相手によってはなかなかこちらからは指摘しにくいものがあります。であれば少なくとも自分の方は万全の備えをし、気持ちの良いコミュニケーションを図りたいものですね。今回取り上げたマイクプリアンプ、音楽・楽曲制作をターゲットとしたモデルとは違い5千円前後で入手できますのでデスクトップPCを使っておられる方は一度検討してみてはいかがでしょうか。

なお、今回USB接続でのマイクについては検証しておりません。USB接続のコンデンサーマイクは果たしてどうか?いずれ機会があれば検証してみたいと思います。

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